悩ましいテーマ”体重と飛距離”
選手の体重管理について。
「ベスト体重は何キロ?」と聞いてハッキリ「何キロです」と応えられる選手と応えられない選手があるように思います。特にゴルフは、まだまだ後者に該当することが多いような...。
しかし ”体重”に関しては、飛距離UPを目的して「もっと体重を増やしたほうがいい」と選手が周囲から言われる..と ”よくある話”。
簡単に太れる選手はいいですが、中には無責任な発言もあり、太れない選手にとってはストレスになることもあるようです。
もう少し飛距離が欲しい選手にとって=体重を増加すればそれでいいのか。
そこで、経験則ではなく、LPGA掲載データ(日本女子プロゴルフ協会ホームページ掲載)の中からTOP10の選手プロフィールをしらべてみました。STATSドライビングディスタンスです。その結果(2019年第2戦まで)のトップ10の選手平均身長は165.6㎝・平均体重66.1kgという結果が出ました。
日本人女性平均身長からみても、背は5・6㎝高い方で、体重は、10キロ以上上回ってはいました。もちろん比較対象が一般女性では、対象として不適切かと思いますが、なんとなく平均的な体格ではないということがわかります。
しっくりこないので、もうすこし調べてみました。面白い論文があったんです。大阪産業大学の方の論文でしたが、多くの賞金を稼いでいるプロほど、ロングドライビングディスタンスであると。
「ゴルフ選手のドライバーショットにおける飛距離の形態学的評価」
面白いことに(記載の計算式は理解できていない笑)、多くの賞金を稼いでいるプロたちは、体格(論文には体表面積と書いてありましたが)から理論上生まれる距離よりもより実測値は高いということ。体格から想定できる飛距離よりも技術や戦術・精神力も競技力の要因であると。(ご興味ある方は上記リンクからお願いいたします。)
さて、こういう話は、選手ともティーチングプロとも、またジュニアを育てる親御さんたちともよく話をします。先日お会いしたティーチングプロは、こんなことを言われたんです。
「平野さんは、施術やトレーニングで、柔軟性や筋力の調整(量の増減も)をして、身体を変え、動きを変えることで飛距離を伸ばすことができるけど、自分(上記のプロが)なら、飛ばす技術を上げることで飛距離を伸ばすことをします。」と。
飛距離を伸ばすことにフォーカスした際に、ティーチングプロと我々ではアプローチが異なるということ。ということは、飛距離をあげたいという時に、真っ先に体重に着目するのはちょっと待ったと言えるのではないでしょうか。
写真の選手は、「いかに短い時間で力を発揮することに着目し、トレーニングを開始した1年前と現在の体重は、変わらずです。もし飛距離は上がります。
”飛距離を伸ばしたいー体重を増やそう”=そんな近道ではないように思います。
【引用文献】
大阪産業大学 ゴルフ選手のドライバーショットにおける飛距離の形態学的評価
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