上田桃子というプロゴルファー

先週、KKT杯バンテリン・レディースが熊本県熊本空港CCで行われました。

昨年選手サポートのために、スタッフ望月トレーナーが帯同していましたが、突然の地震により望月や選手の安否確認と慌てたことを思い出します。幸い皆の無事は直ぐに確認できましたが、試合は中止になったあの日から、早1年の同大会を迎えていました。

今年のこの大会では、初日から最終日最終ホールまでトップでいた上田桃子選手は、残念ながらプレーオフにより優勝杯をのがしてしまいましたが、「地元である熊本のために」とのぞんだ試合で、声援や期待・重圧などあったことでしょう。しかしここまで試合を盛り上げることができる選手も、そうはいないのではないかと思いながら、今年はTVを見ていました。

思い出すと、上田選手は2013年米国から戻り、日本ツアー出場資格の限られた中で、9試合目ギリギリで3位に飛び込み、日本のシード権を獲得した時も驚かされました。

1年このステージで頑張っている選手はなんなのかと...力の違いを感じたことを思い出します。上田プロとは、直接話しをしたこともありませんが、こうした選手の強さとはどこから生まれて来るのか、育成が可能なのか...と正直聞いてみたくなります。

周囲ではこういう選手に対してジュニアの頃から強いとか「生まれ持ったもんだよ」なんていう声を耳にしますが、「それだけなのかなぁ?」と考えるのも、我々には必要なことかなと思うんです。


もちろん上田選手の今回の強さに対し、同大会で戦っている選手も、こういう場で力を発揮できるプロとして、優勝は逃したものの皆が敬意を表していたようです。これからプロを目指すジムでトレーニングしていた選手は、この冬、ハワイで声をかけていただき一瞬だけでも一緒に練習をさせていただいた思いから、先週の試合は特に影響を受けたようで「私みたいに試合で緊張している場合じゃない」と話していました。

WEBをのぞくと、優勝を逃したことに厳しいコメントしている記事もみかけましたが、「ああいう場面で一回ショット打ってみ?(笑)」と言いたくなりますが、狙った試合で狙ったポジションに上がれるほど甘い世界ではないはずです。ゴルフは100人近い選手が出場し、頂点に立てるのはたった一人の世界。優勝者ただ一人がその歴史に名を刻みます。

それ故、2位の選手の印象が残ることはほとんどない中で、上田選手の初日から最終日最終ホールまでの活躍は大きな賞賛にあたいすると思ってなりません。

勇気を与えるのは、優勝だけじゃない。

0コメント

  • 1000 / 1000