柔整師は専門職かそれとも総合職か。

後輩の相談を受けた時の話。

問診の時「患者さんがどんな症状を話されるかを考えるとドキドキしてしまう」らしい。そもそもの質問はこうだった。接骨院に来院が多い整形外科疾患は何か...。呆れてしまったが真意は聞かなければいけない。

「接骨院に来院が多い整形外科疾患」を先に押さえておきたいという話だった。自身が考えたこともなかったことで、「そんなの自分で考えろ...」と言いたいところだったが、若い時には問診時に赤面したこともある。相談にはできる限り答えてあげたい。

担当した患者さんの「疾患・外傷」を全て紙に書かせてみた。その特徴と具体的対策(治療方針)を話してもらう。その中で、情報として足りない項目があり、きくと「自信がないから」という、そこから復習するのはどうだろうか。

学校では、整形外科以外にも全てにおいて幅広く浅く学んできたが、数年に1回しか診ない症例に多くの時間は使えない。ただ知らないでは済まないこともあるが、目の前の患者さんの症例に対し、一つ一つ掘り下げていくしか近道はない。迷ったらすぐに解決する癖をつけなければ、また同じ症例で苦しむことになる。内科や外科の分野の知識も当然必要になる。患者さんがこちらの求める症状ばかりではないからだ。

具体的に言えば、足の指が腫れてしまった患者さんが痛風だとして、学校では痛風というものを当然習ってくる。でも目の前の指の腫れを見て「痛風ではないか?」と疑いすら持てない時期もある。臨床経験はこうしたことの積み重ねだと思っている。

柔道整復師という仕事は、医師とは違い○○科等、専門性をうたえない免許になっている。腰痛専門・むちうち専門など本来はない。言っているだけでそもそも禁止されている(笑)。

本来は幅広く総合職的な、ジェネラリストを求められているところがある。そのためには免許取得後の研修がものすごく重要になってくる。

しかし最近はその研修を積まずに、「たまにしか来ない骨折は要らない」、「脱臼も見たことないからいいや」、「捻挫くらいは診れるかな」という具合だ。「効率性」ばかりを求めている若者もいれば、冗談のようだけど、片手ほどの治療プランしか提供しない院もある。


そんな話を終えて、少し近道を探し焦りを感じていた後輩に質問してみた。

「ジェネラリストを目指すか、スペシャリストを目指すか。」

すると

「ジェネラリストでありながらスペシャルな一面を持ちたいという答えが返ってきた。」

半分強要してしまったようだが...私と同じだった(笑)



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