0次予防の取り組み
初診でお見えになった時は、腰痛克服のためでした。「薬を処方されたがなんか違うような気がして、飲みたくないんだけど...」。2ヶ月かかりましたが、腰痛が改善された今、通常であれば早めに治療を終了して、「また何かあったらすぐに診せてくださいください」となる。
1次予防が生活習慣の改善・食事と運動の改善、メンタルケア
2次予防が早期発見・早期治療
定期的メンテナンス・再発防止やリハビリというものは3次予防の分野になります。
私たち(柔道整復師)の通常の案内は、この3次にあたりますが、根本改善だけでも、未来に向かっては、不十分だと言えます。
この3次予防の処方以外に、運動・食事意識の高い方であれば、食やフィットネスである1次予防分野に移行となりますが、誰もが食に高い費用をかけ、意識高く定期的に運動できるわけではありません。
今では遺伝子や腸内フローラ等、特性・リスクを知ったうえで予防に取り組む医療も始まりました。1次のもう一段階手前から、個人の特性・現状・リスクを知り遠回りせずに自分の健康法を見つけるという取り組みです。
この患者様は、内科的な事情で体重を落としたいという希望でした。
これまで何をやってもうまくいかなかったそうです。年を重ねるごとに体型維持は困難にはなりますが、当院で推奨している「0次予防」において深く共感いただき、ヘルスコーチングをスタートすることになりました。
そこで...
今回は「遺伝子検査」と「腸内フローラ検査」を提案しました。
遺伝子検査(0次)に関しては、0次を行い生活習慣改善(1次)につなげるための検査項目で、主に栄養代謝や運動遺伝子等リスクを調べていきます。ガンリスクの項目は含まれていません。
肥満①内臓脂肪の付きやすさ
肥満②筋肉の付きにくさ
肥満③皮下脂肪のつきやすさ
肥満④エネルギー消費と自律神経のバランス
運動/①「持久力」「瞬発力」どちらのスポーツが向いているか
運動②運動負荷への体制能力
葉酸:毒素の分解について
アルコール代謝①酩酊状態やアルコール依存症のなりやすさ
アルコール代謝②悪酔い、頭痛や吐き気の起こしやすさ
体内老化:活性酵素を除去する酵素の働きについて
をはじめ気質検査を含む20項目にわたる検査を行います。
遺伝子検査は元々の自身の特性を知るものですが、「気質」までわかるので、継続できる提案をするためにも、元々の性質を参考にしちゃうこともあります。
変わって腸内フローラ検査は遺伝的とは異なり、環境因子の影響を受けるもの。遺伝子は生まれ持ったもの、腸内フローラ検査は、「今」といったほうがいいのかもしれないです。細菌バランスは幼少期に決まるといいますが、加えてこれまでの食生活の結果としても「今の腸内」が見えてきます。
最近では、遺伝子検査もネットで購入でき、結果も自分で見るような形で容易にできるようになってきました。ただ「知りすぎるリスク」は否めず、その検査項目に関しては自身の考えに適した検査商品を選択するべきでしょう。また結果を一人で読むだけの商品もメンタルが落ち込む危険性もあるようで、米国では大変な話題になりました。
ダイエットを目的にした場合、筋肉が落ちやすい傾向で、痩せ型との結果が出たものの、実際の肥満体型と結果が異なったなんていう声はよくあります。糖質代謝が得意な方が糖質オフダイエットしてもなかなかうまくいかないケースもあるでしょう。すると「痩せ型」と出ているのになんで太っているんだ⁇となるわけです。「俺全然痩せてない」。こういうケースでは遺伝子的アプローチをそのまま使えません。
私の場合、遺伝子的に糖質代謝が苦手で、運動は強度の高い運動を継続する必要があったのです。さらにダイエットを繰り返すごとにリバウンドしていました。もちろん腸内を調べたら非常に痩せにくい環境だったのです。
話は戻りますが、上記の例のように遺伝子検査と現在の体系が異なる場合、環境因子=生活習慣の影響が強いと考えることが妥当でしょう。食事の傾向や腸内環境が痩せにくい、または太りにくい細菌叢であるかを検査をすることで、次に何をすればいいのか具体的な対策が見えてきます。さて患者様はどんな作戦を立てることになるか...検体提出後約1ヶ月で検査結果が手元に届き、コーチングがスタートします。
続く。
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