資格ではなく、何ができるか。
資格はご飯を食べさせてくれない。
今まで携わったスタッフに必ず伝えている言葉です。
ここ数年の接骨院業界では、研修期間が少ない院や、プログラム化されて3ヶ月で患者さんを診れるようになるとか、研修1ヶ月で売り上げ何十万達成できるなどの情報に溢れています。若いスタッフもSNSを利用し様々な情報を得られやすくなっている分、やや頭でっかちになったり、または他人の活躍を見て不安を抱いたり、SNSのデメリットを眼の当たりにしているように見えます。また学生時代は研修しない人が多く、行動はとらない知識先行型が増えつつあります。同業者同士で話はできるが、患者さんを診る事ができないんです。免許取得後1年で開業した同期がいることをSNSで知り焦ると聞きます。
「目の前の患者さん一人一人にしっかり向き会いなさい」
焦った若者の耳には届きません。
人の体を見る国家資格者が「研修期間3ヶ月」には正直馬鹿げているとしか思えません。本当に怪我の対応ができるのか不思議な話です。しかしそういうお店に魅力を感じる若者が存在することも確かなので、人(人材)の流れがそこに向いて行った時もありました。
しかし最近はまた回帰しているといいます。
3ヶ月で教えてくれることはプログラム化された機械的な作業なんです。もしかしたらロボットでもできるかも。人が人にできることはなんでしょうか。
一人一人の患者様に対応できる医療従事者になろうと考えていた若い者には、やはりもう一度勉強できる院を探そうという風に変わりつつあるようです。
先日面接をした学生18歳は、専門学生1年生です。以前「最近の学生は研修しない」と書いたことがありましたが、1年生から研修を始めたいと考えているといいます。高校を卒業前後数ヶ月間も、地元でお世話になった柔道整復師の先生に包帯の勉強をしていただいたといっていました。なんだか嬉しい話でした。
「一人の人間に向き合った時、自分に何ができるのか。」
「もし患者さんが家族だとしたら、自分はどんな選択をするか」
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