望月が山梨に戻りました。
望月が地元山梨に戻りました。
夢を持った若者との出会いはいつも新鮮で。
本人は勿論不安を抱えながらの入社は間違えないはずですが、わたし自身も胸が躍り、仕事を伝える責任を感じる時なんです。
この仕事は、人を相手にする仕事で、また人の身体に関わるもの。要がシステマティックにいかない難しさがあります。...共に数年間、狭小の接骨院の中で切磋琢磨しながら、医療従事者として大切なことが何か、自身の心に刻み込むんです。わたしに科せられた一番の役目でありますが、これが楽しくてやめられないんです。
特殊な治療法や技術的なことは、実はどうでもいいと言ったら語弊があるかもしれないですが、学びの姿勢を事前に備えている志高い若者ばかりが集まってくれるせいか、知識ばかりで余計に頭でっかちにならないよう努めます。望月もまた思いがしっかりあるので、約5年間質問は絶えない若者でした。
望月との出会いは、一般社会人から転身を決め山梨から横浜に上京したところから始まります。20年以上前は、脱サラして接骨院開業を目指された方も多かったようですが、今は本当に珍しい。そのままサラリーマンを続けても、それなりの生活が待っていたような企業でしたが、それを捨ててまで「自分の手で食べよう」と決断した若者を断る理由などありませんでした。
面接時必ず聞くこととして「夢はある?」という質問。
業界は私たち一人一人が作らなければいけませんが、先人のあり方により、若者が夢を抱けるかどうか決まると自身は考えています。
ただ個人の技術や知識で食べていくこの仕事は、身につける日々の過程で大きな不安にかられることは少なくありません。「白衣を着れば患者さんが悩みを打ち明けてくれるか...」勿論そんなに甘くはないです。
悩める時が必ずあるから、「初志や夢」というものがとても自分を支えてくれるんですね。
そして、そもそも若者の夢をEIR ATHLETESで叶えることができのかということが、迎えるにあたりとても大切な要素になります。
柔道整復師のカリキュラムも年々増えている中で、授業を受けるだけで限界という学生も多いのですが、当然研修は必要なんです。学生のうちに「トレーナーの資格を取得してもいいでしょうか」という質問をしてきました。「免許取得が最優先だよ、学校は大丈夫なの」と聞くと、「問題ないです」という余裕のある返事が来ました。当時初めての経験でした。
さて望月といえば、おそらく米国PGAツアーのトレーナーを経験が、EIR時代の大きな思い出にもなっていることと思います。ツアーカード取得にチャレンジした岩田寛プロのトレーナーとして、米国・メキシコ・中国と約2ヶ月半にわたり日本を離れた経験。
「米国帯同の話があるけど、誰か行きたい奴いるか」とスタッフに一斉に流す。
大概スタッフの心の内は「行きたいけど自信がない」というもの。私からの情報も或る日突然「あっ院長からLINEだ...えっマジで...どうしよう...行きたいけど....」となるようです。
そんなスタッフの中から2人が志願し、英会話ができる望月を選手に選んでいただきました。さて当時の望月の心のうちは...「ないけど、今行かなければ」だったようです。
当然ながら最大の任務は、「ツアーカード取得に貢献すること」。私も時差を考えながらLINEでフォローを続けましたが、今の自分の実力を知るためにも外に出て戦ってこいというのが当時一番の思い。そして決して完璧ではない状態のトレーナーが、普通なら行けるの?となるわけですが、技量よりも、「選手としっかり向き合える人間」であることが最も大切なことと考えていたので、私も心から応援していました。
遠征前、シニアツアー会場に見学に来た時に、平野がサポートしていた室田淳プロも、「俺の体を一度見てみな」と望月にチャンスを与えていただきました。他のシニア選手からも「寛(岩田プロ)をよろしくな」と声をかけていただいたり、室田プロには「それぐらいできれば大丈夫だよ」とお言葉をいただいたこと。彼の原動力となったことは間違えないでしょう。
実は、1年以上前に入籍をしています。努めている間は、山梨ー横浜で離れ離れで暮らしてきました。奥さんには月に2度会えたらと...といつも寂しそうに話していたので、状況を知っている患者さんには、「奥さんに横浜に引っ越しして来てもらったら!」と言われていましたが、もともと山梨に帰るつもりでスタートしていたこともあり、昨年夏に今回のゴールを決めていました。担当した選手には、昨年中に説明をさせていただきましたが、ほとんどの患者さんには突然のお別れになってしまったことを大変申し訳なく思っております。
私自身も、出会いはいつも良いが、別れは何度経験しても強くなりません。この春入社した3名の若者を育てながら、寂しさを紛ら紛らわすことができたら...。
最後の2ヶ月、患者さんが途切れて時間ができると、彼は休憩よりも掃除を始めるんです。「少し休んだら」と声をかけても止めることはなく、院内のありとあらゆるところを整理し、綺麗に磨き上げてくれました。「何か思うことあるんだなぁ」とそれからは黙って見ていましたが、本当にありがたいことです。
こういう研修生は今まで初めてかもしれませんが、最後の日まで変わることなく努めてくれたことに、私自身も貴重な学びができました。本当に感謝したいと思います。
学び舎を磨き上げて研修を終える。伝統になるかな...。
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