こんなシーンをいつかは...。怪我からの復帰

日本オープンを見なければいけない理由がもう一つありました。トレーニングやコンディショニングを担当して、5年になる若手プロが出場していたための試合観戦でした。

実はその若手プロは、昨年のセカンドクオリファイで怪我(亜脱臼)をしてしまったんです。2日目以降続行不可能と判断し、棄権するほどに。その日PGAシニアツアーに帯同していた自分に連絡が入り、シニアの試合会場で見ることになりましたが、翌日痛みに耐えられず棄権を選択したんです。

時として、怪我は大小ではありませんが、治療に長期間かかりクラブを握れないことが、プロゴルファにとってどれだけ辛いことか。技術以外にも、自信をも失われる可能性が有りました。リハビリを続けながら少しづつクラブを振りはじめ少しづつ少しづつ階段をあがるんです。

ラウンドできるようになっても、当然スコアは出せません。ラウンドできる喜びというよりも「スコアが出ない現実に向き合わなければいけない」そんな今春でした。周囲も「慌てないで」とはいうものの、きっと焦りはあったでしょう。

重篤な怪我をしてしまった際に、それがスイングによる影響なのか、フィジカルそのものか、それとも事故的なものなのかコーチと共に3人で答えを見つけてきました。実はこういう作業が一番大事だとおもうんです。怪我そのものが治ればいいわけではありません。疼痛回避のスイングが選手のゴルフを壊してしまうこともあります。

そんな1年を過ごし、選手は無事に復調して日本オープン予選を通過しました。残念ながらあと1歩で予選は通過できませんでしたが、2週間後、来期の出場権を得るためにこれからサードクオリファイが始まります。そうなんですセカンドも無事通過しています。

まだまだ若手で、怪我から復帰したことを誰も知りません。ただコーチや家族、私を含め日本一のメジャー大会のティーグランドに立つ選手の姿は本当に特別なものでした。私やスタッフの太田も必死に取り組んできたこともあり、昨日はその姿を見なければいけない...そんな思いで狭山に向かいました。

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